亡羊記群〜時代と闘わずして、歴史の真実はわからず〜

“鹿”  鹿は 森のはずれの 夕日の中に じっと立っていた 彼は知っていた 小さい額が狙われているのを けれども 彼に どうすることが出来ただろう 彼は すんなり立って 村の方を見ていた 生きる時間が黄金のように光る 彼の棲家である 大きい森の夜を背景にして(村野四郎「鹿」『亡羊記』(1959年) )ブログタイトルの「亡羊記群」は、亡くなった角田博英さんの同ブログタイトルからです。サブタイトルはかつての廃寺ゆう子さんと田島奈保子さんとのグループ・「まんぼさん(mambo sun)」の理念からです。

君はTOO SHY / 2018年6月15日

12:41 食事しました。制作します。

 

優しい乳臭いおぞましさ、黒いレースが、頭上から降りてきます。

f:id:ynamasu:20180615124502p:plain

制作前にひどく落ち込みます。

21:10 制作に展望が。

f:id:ynamasu:20180615221500j:image

22:10 制作ひと段落です。

2:20 彦坂先生、糸崎さんと安ワインを飲みました。

 

[小説]

私の近親相姦の掟の重々しさで折れてしまった背骨と橋の手すりの上に、腹ばいになると、という私の記憶は14階から飛び降りた「勢い系ではなく、じっくり系だった」、と言う、君の声を思い起こさせ、君は人は死なない、と言い、私たちはマクドナルドのトイレを音楽スタジオとして録音して作曲した。そこで私たちはラブホテルに行った方が良いのかと言う議論と、いやビジネスパートナーの方が面白いと言う結論を出して、大森貝塚の不思議さと、電車賃なく帰れなかった冬の夜の、初雪、神社の境内で、膝をついて読む、旧約聖書の「民はくびきを絶っています」と言う告発をひとり読む、私は憂鬱で時折倒れる瓶詰めの精子